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「あり得ない!」と思うような事柄もメモを取ろう

河野 菜摘子 河野 菜摘子 明治大学 農学部 准教授

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【23】

私が専門にしている「生殖」は歴史のある研究分野です。だからこそ、誰でも思いつきそうな仮説は、たいてい既に実証済みです。

歴史は古く、教科書にも「受精・発生」は書かれていますが、それでも私たちヒトがお母さんのお腹の中で、どのように受精し、どうやって着床しているのか、そのメカニズムはよく分かっていません。

すなわち、教科書を読んでいるだけでは想像できないような現象が体内受精には存在しているということです。

私が実験を行うときには、仮説に反する結果が出ても否定的にならないこと、ディスカッションは自由な意思で話し合うこと、共同研究者を様々な分野にたくさん持つことなどを心がけています。

視野を広く持ち、色々な意見があるのだということを踏まえた上で研究を進めるのは、複雑ですが、楽しいものです。

このような思考に至った背景には、生殖分野の研究が、ゲノム編集や遺伝子改変マウスの実験でことごとく否定されてしまったという過去があります。ゼロからのスタートなので、ありきたりのことでは結果が出なくなっているのです。

また、私の研究室には学部3年生から入るのですが、週に1度のセミナー発表では「必ず1人1質問をしてください」と伝えています。

入ってきたばかりの学生には酷なことかもしれませんが、何も知らずにその場でパッと聞いて考えた質問の中に、意外とよい質問があったりするのです。

そういう気持ちを上級生も忘れずにいるべきだと思いますし、研究に全然詳しくない人のアイデアも重要だと感じています。(もちろん、初めて聞いた人にも分かってもらえるプレゼン能力は必要です)

ビジネスの世界でも、新入社員や専門外の人の意見を「何言っているんだ」とつぶしてしまうのはもったいないです。「あり得ない」と思うような事柄でも心にメモをしてみてはいかがでしょうか。

記憶に留めておくことで、後々「そういえば、あのとき…」と大きなブレイクのきっかけになることもあるかもしれません。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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