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生物の仕組みを、自分ゴト化して考えてみよう

島田 友裕 島田 友裕 明治大学 農学部 准教授

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【4】

私が生物の研究をしていて面白いと思うのは、微生物でも何でも生命というのは非常に賢いということです。

いまの世の中はAIが発達し、たとえば自宅に帰ってきてスマートスピーカーに「ただいま」と言うと、ラジオや照明、エアコンが点くなど、ネットワークで何でもできるようになっています。

もともとは1個1個独立したシステムで各々ボタンもありましたが、それを統括するボタンを設定し、ネットワークを繋げることで、1つのスイッチで多数のことが実行されるようになりました。

実はこうした仕組みは生物も持っているのです。生物がさらされた環境変化に対して、利用すべき遺伝子を指示することで、上手く適応できるというような仕組み、すなわち制御ネットワークが構築されています。1つのスイッチに対して、多い場合は数百を超える遺伝子が連動している場合もあります。

生命というのは地球がつくり上げた仕組みであり、人間が頭で考えてつくったシステムよりも長い期間に渡り、厳しい環境の変化にさらされ、自然淘汰を繰り返しながら新しい制御ネットワークをつくり、生き延びてきたものです。

私はこうした生物の仕組みの合理性に美しさを感じます。生物の仕組みを研究することで、何に応答し、何を動かすべきか、というシステムの構築方法も理解することができます。

いまは生物学関係の読みやすい本も出ていますし、ネットにも様々な情報が出ていますので、ぜひ生物のもつ制御ネットワークに対して意識を向けてみてください。ビジネスの世界にも通用するような作業の効率化・合理化に関するアイデアが生まれたり、組織論や経済学に繋がる発見があるかもしれません。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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