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自分の文章力を向上させる読書法を実践してみよう

小野 正弘 小野 正弘 明治大学 文学部 教授

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【40】

40歳といえば自分が出来あがり、自分を表現しなくてはいけない年代です。話すこともそうですが、書くことで言いたいことをいかに伝えられるかが問われてきます。

そのために実践して欲しいのが、自分の考え方や文章のスタイルをつくりあげられるような本を読むことです。私の場合は、芥川龍之介(格調のある文章)、加藤周一(極めて論理的な文章)、大野晋(分かりやすく説得力のある文章)の各氏から、強い影響を受けました。

「文章を書く仕事なんてしていないよ」と言われるかもしれませんが、文章を理詰めに書けない人は話す内容も筋道が通らないことを言う印象があります。文章を書いて自分を表現することは、きちんとしゃべって伝える言葉のバックボーンをつくることになるのです。

私にとっては3氏の文体が合いましたが、他の人もそうとは限りません。ただ何かしら自分に合う文体というのはあるはずなので、それを探せるよう試行錯誤を重ねていくのがよいと思います。

作者の言っていることがよくわかるなど、自分に響く文体が見つかったらまずは真似をしてみましょう。ただ、完全なコピーではダメです。

私の高校時代の文章を見返してみると芥川氏の亜流のような感じでした。その後、加藤氏の影響で一文が20字以内の短い文章を書く感覚が身につき、段々と真似から脱出して自分なりの文章が書けるようになったのです。

ビジネスパーソンの方でしたら、軽妙な文体で面白さが伝わってくる池井戸潤氏、心に迫るような筆力がある高田郁氏、多くのビジネス書を手掛けている大前研一氏などが参考になるかもしれません。

自分の文章力を鍛える意味で読書をしてみる。30代、40代でも遅くはありません。普通の人が目を向けないようなことをやることで、周りから一歩飛び抜けた存在になることでしょう。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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