明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

AIに置き換えられないスキルを身につけよう

明治大学 商学部 教授 萩原 統宏

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【17】

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子供たち』(東洋経済新報社・2018年)

本書は、人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める新井紀子氏執筆のベストセラーです。一般にAIを賛美するような本が多いなか、AI“東ロボくん”が東大入試に合格できるかという話を中心に、専門家が客観的な立場からAIの限界について言及している点を興味深く読みました。

結論としては、東ロボくんは東大には受かりません。その原因は読解力がないからです。例えば「人間のある女の子のことが好き」というのと「スパゲッティが好き」というのでは好きの種類が異なりますが、AIにはその区別がつきません。

コンピューターにものを教えるときには数式のカタチをとらなくてはならず、こうした微妙なニュアンスを伝えるのがいまの数学では難しいのです。

金融業界などではAIによって仕事がなくなるとも言われていますが、AIに置き換えられないよう、個々にスキルアップしていく機会と捉えるべきではないか、と本書では述べています。

私たち教員もマニュアル化できるような仕事で満足していると取って代わられます。教育に関して言えば内容・効果に鑑みて、毎年毎年、質を改善していくような取組みが必要なのです。

本書は自分の考え方や仕事内容を振り返ったり、危機感を抱いたりするのに契機となることでしょう。大変勉強となる一冊ですので、若い方に特におすすめします。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Hatena

連載コラムの関連記事

#3 公共事業の補償って、お金を払うだけでしょう?

2018.12.14

#3 公共事業の補償って、お金を払うだけでしょう?

  • 明治大学 専門職大学院 ガバナンス研究科 教授
  • 松浦 正浩
自分の限界点をつくらず、夢を追い求めよう

2018.12.13

自分の限界点をつくらず、夢を追い求めよう

  • 明治大学 文学部 教授
  • 落合 弘樹
#2 市民が公共事業の計画に参画できるの?

2018.12.11

#2 市民が公共事業の計画に参画できるの?

  • 明治大学 専門職大学院 ガバナンス研究科 教授
  • 松浦 正浩
#1 公共事業はどうやって進められるの?

2018.12.7

#1 公共事業はどうやって進められるの?

  • 明治大学 専門職大学院 ガバナンス研究科 教授
  • 松浦 正浩
若いときこそ失敗に学び、次のステップに繋げよう

2018.12.6

若いときこそ失敗に学び、次のステップに繋げよう

  • 明治大学 商学部 特任講師
  • 東野 香代子

Meiji.netとは

新聞広告連動企画

新着記事

2018.12.12

行政はなぜ必要?なくては困るが、甘えすぎも要注意!

2018.12.05

明治維新には、多くの“西郷どん”たちの必死の努力の集約がある

2018.11.28

パリ・コレに見る、「一流ブランド」の真価

2018.11.21

あなたが住む家は、あなたを地震から守ってくれますか

2018.11.07

IPOバブルは金融リテラシー欠如の表れ!?

人気記事ランキング

1

2014.09.01

緊急提言、人口減少社会に歯止めをかける ―方策は少子化対策、社会…

2

2018.12.12

行政はなぜ必要?なくては困るが、甘えすぎも要注意!

3

2017.03.15

「沖縄振興予算」という呼称が、誤解を招いている

4

2018.05.23

衰える結婚、止まらぬ無子化 ――このままでは日本の未来が失われる

5

2018.12.05

明治維新には、多くの“西郷どん”たちの必死の努力の集約がある

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム