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#6 専門家に相談するのは勇気がいる?

中林 真理子 中林 真理子 明治大学 商学部 教授

ひとつの窓口で多数の保険会社の商品を比較できる「来店型保険ショップ」が増えている

前回は、社会のニーズに合わせて新しい保険が次々と登場してくる話をしました。保険商品はものすごく複雑なのに、さらに商品が増えていくと、私たちが自分で保険を選ぶのは本当に難しいことになってしまうでしょう。実際、保険会社のホームページを見ても、全部読むことはまず無理ですし、完全に理解するのも困難です。アメリカなどでは、一般の人たちが専属のフィナンシャルプランナーや保険ブローカーに、保険を含むお金に関することを包括的に気軽に相談しています。いわば、掛かりつけのお医者さんのようなものです。いずれ、日本でもそうなっていくかもしれませんが、現在は多数の保険会社の商品を取り扱うことができる乗合代理店(いわゆる「来店型保険ショップ」)が人気を集めています。そうした乗合代理店であれば、ひとつの窓口で複数の保険会社の商品を比べて検討することができますし、相談員の多くは、保険の販売資格に加えてフィナンシャルプランナー等の資格をもっています。専門家に気軽に相談できるわけです。とはいえ、すべてをただ任せてしまっては、本当に最適な保険が選べなかったり、自分が加入している保険商品の契約内容を把握しきれないといったことになりかねません。前もって自分や家族の財政状況や保障ニーズをしっかり把握し、ライフデザインなども考え、それを基に相談するようにしましょう。保険とは、まさに自己防衛のためのツールです。将来のことを真剣に考えてこそ、本当のリスクマネジメントができるのです。

#1 保険は、保険会社が儲かるようにできている?
#2 生命保険は損か得か?
#3 火災保険では地震の被害は補償されないの?
#4 医療保険は必要不可欠?
#5 長生きするほど受取り額が多くなる保険?
#6 専門家に相談するのは勇気がいる?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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