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土壌は資源であり、持続的な活用のためには知恵が必要

明治大学 農学部 准教授 加藤 雅彦

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近年、SDGsの浸透もあり、様々な分野で、サスティナブル(持続可能)への関心が高まっています。土壌についても、食糧生産の資源として捉え、世界人口を将来的に支えていくための国際協力の枠組みがつくられ、2015年が国際土壌年と定められました。普段何気なく踏みしめている土壌は、人類にとって、とても重要なものなのです。

土壌は重要な資源であり、人が適切な措置を行うことが必要

前野 義晴 土壌というと、みなさんはどのようなイメージをもつでしょうか。農業などに興味がある人たちは、農作物を作るための田圃や畑をイメージするかもしれませんし、都市で暮らしている人にとっては、そもそも、あまり身近な存在ではないかもしれません。

 しかし、コンクリートやアスファルトも土壌の上に造られています。実は、私たちは土から離れて生きていけないのです。

 農業のように、土壌から農作物を生産することだけでなく、私たちが生きている生活環境であることも含めて、人類にとって土壌は資源であると言えます。

 土壌は資源であることを意識すると、それは利用できなくなる可能性があるかもしれない、ということがわかります。

 もちろん、石油などのように枯渇するということではありませんが、私たちの生活環境として、また、農作物を生産する環境として、適さなくなる可能性があるということです。

 例えば、人が住めなくなるような汚染の問題、あるいは肥沃度が低下して農作物の生産性が悪くなることがあります。しかも、そうした問題を引き起こすのは、私たち人間自身なのです。

 では、人が手を出すことを止め、土壌を自然の状態に戻せば問題は解決するのかというと、実は、そうとも限りません。

 例えば、都市に暮らしている人は、田園の風景を自然の風景と思いがちですが、まったく違います。むしろ、農地とは究極的に人為的な土地です。土を耕し、肥料をまき、自生する雑草を除く、つまり、農地の土壌とは非常に人工的な土壌なのです。

 そもそも、土壌とは、地球表層の粒子状態の部分を指します。その土地にあった岩が長い年月の間に風化したものがベースです。そこに、その土地の気候や地形、降水量など、様々な条件が加わり、同じような色、形をしていたとしても土地ごとに土壌の性質は異なってきます。

 ある土地はとても肥沃で、農作物がよく育つところもあります。一方で、農作物に適さない土地もあります。

 例えば、降水量よりも蒸発散量が多いような土地では、地表に塩類が溜まってしまい、ほとんどの植物が生育できません。また、自然に肥沃な土地でも、人が同じ作物を連作すれば、やがて生産量は落ちていきます。

 つまり、自然任せではなく、人が常に手を加えて作物の生産量が上がるように「作って」いるのが農地の土壌なのです。

 すると、農地を、作物を生産する資源として利用し続けようとすれば、私たちは、土壌に対して的確な措置をしていかなければならないということになるわけです。

 また、農地だけでなく生活環境においても、一度、人が土壌汚染を引き起こすと、それを健全な状態に戻すには、自然に任せるだけでなく、やはり、人がなんらかの措置を講じていかなければなりません。

 このように、土壌を資源と捉え、これを持続的に利用できるように適切な措置を考え、後世に引き継いでいくことは、私たちにとって、とても重要な課題であると思います。

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