明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

土壌は資源であり、持続的な活用のためには知恵が必要

明治大学 農学部 准教授 加藤 雅彦

土壌の物理化学生物性を正しく理解することが大切

 適切な処置とはどういうことか。例えば、土壌の肥沃度を高め、作物の生産量を上げるには、肥料をたくさん与えれば良いと思われがちですが、ただ、与えれば良いというものではありません。

 土壌の成分を考え、作物の生産に適するように養分を入れていくことが必要です。

 もちろん、農家の人たちには、代々伝えられたやり方があり、その土地において有効な措置を行っていると思います。

 しかし、様々な環境の変化のある今日では、的確な知識をもつことも大切です。例えば、土壌の物理化学生物性を正しく理解することです。

 すなわち、物理的に、土壌の通気性や保水性、透水性の改善を考え、作物の根を張りやすくすること。

 化学的に、土壌の適度な酸性度、適度な塩基バランス、高い養分保持力を考えること。

 そして、生物性として、多様な土壌生物や、様々な微生物が安定して混在している状態を考えることです。

 こうした知識をもって土壌資源を捉えることが、生産性の高い土壌資源の保全に繋がり、土壌の持続的な利用にも繋がっていくと思います。

 また、私の研究には、汚染された土壌の健全化があります。例えば、重金属で汚染された土壌に、それらの重金属に反応する資材を混ぜることで不溶化、すなわち、重金属を溶け出しにくくするのです。こうした研究も、物理化学の応用です。

 私たちが目指すのは、決して大自然ではありません。人にとって生きていくための環境や、生きていくための食物の生産を持続的に行える土壌資源を保全していくために、私たちができることを考えることなのです。

社会・ライフの関連記事

コロナ渦を都市政策の歴史的な転換点に

2020.9.23

コロナ渦を都市政策の歴史的な転換点に

  • 明治大学 政治経済学部 教授
  • 野澤 千絵
人口変動と人びとの歴史を結わえること

2020.8.5

人口変動と人びとの歴史を結わえること

  • 明治大学 政治経済学部 専任講師
  • 中島 満大
お金について学ばないことで失う機会は大きい

2020.7.29

お金について学ばないことで失う機会は大きい

  • 明治大学 国際日本学部 特任教授
  • 沼田 優子
人類の危機を救う植物の秘めた力を解き明かす

2020.7.22

人類の危機を救う植物の秘めた力を解き明かす

  • 明治大学 農学部 専任講師
  • 瀬戸 義哉
長生きリスクを、長生きハッピーにするために

2020.5.27

長生きリスクを、長生きハッピーにするために

  • 明治大学 商学部 准教授
  • 藤井 陽一朗

Meiji.netとは

Meiji.net英語版

特別授業

新着記事

2020.09.23

コロナ渦を都市政策の歴史的な転換点に

2020.09.16

これからは内部通報を促す企業が力をつける

2020.09.09

土壌は資源であり、持続的な活用のためには知恵が必要

2020.09.02

データサイエンティストにとって、データ分析は結論ではない

2020.08.26

人工知能を作ることから始まる現代のものづくり

人気記事ランキング

1

2019.07.31

万葉集に由来する「令和」に込められた、時代にふさわしい願い

2

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

3

2020.09.23

コロナ渦を都市政策の歴史的な転換点に

4

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

5

2020.09.16

これからは内部通報を促す企業が力をつける

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム