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所有者不明土地の解決策はサブスクリプションにある!?

明治大学 農学部 准教授 片野 洋平

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最近、日本全国の所有者不明土地の面積は九州全土を上回る、などという報道がなされ、人々に衝撃を与えました。所有者不明の土地がなぜ生まれるのか、それはどんな問題を引き起こすのか。そして、どう対策すれば良いのか。この問題に長年たずさわってきた研究者が本学におります。

災害時の復興で問題になった所有者不明土地

片野 洋平 近年、日本全国で、管理がなされないまま放置される山林、耕作が放棄されている農地、居住が確認されない家屋などの問題が顕在化しつつあります。

 この問題は、実は、以前から指摘されていましたが、大きく注目されたのは、2011年の東日本大震災がきっかけです。

 例えば、復旧のために道路を造ろう、トンネル工事をしようとしても、その土地の所有者がすぐにわからず、工事に取りかかることができなかったのです。当然、それは地域の再開発が遅れることになるわけです。

 なぜ、所有者不明土地が生まれるのかというと、非常に簡単に言えば、地方の農家などに生まれた人たちが、都会に出て居住することが増えたからです。

 つまり、その土地の所有者が高齢になって亡くなっても、土地を相続する子どもたちがその土地にいないため、不在所有者になります。

 そうした人たちのなかには、年に何度かその土地に行って雑草取りをしたり、あるいは、人に頼んで管理をしてもらっていた人もいたかもしれません。

 しかし、その人たちも亡くなると、その人たちの、都会生まれの子どもが相続することになります。すると、田舎の土地とはだんだん疎遠になり、管理されずに放置されるようになっていくのです。

 加えて、登記の問題があります。都会では、土地や家屋の登記はされているのがほとんどだと思います。しかし、実は、登記は必ずしなければならないものではありません。法律で強制されているわけではないのです。

 実際、地方の農村地帯などでは、登記は3代も4代も前の祖先の名前になっていることが珍しくありません。

 都会では、隣との境界が10cm違っても問題になるので、公に証明するために登記をするのですが、田舎では土地を盗むようなことはまず起こりません。そのため、登記に対して関心が薄いのです。

 しかも、親が亡くなると、子が当たり前のようにその土地で農業を継いでいたため、なんの問題も起こらなかったのです。

 ところが、子がその土地を離れ、都会に居住するようになり、しかも登記が行われていないと、いわゆる数次相続の状態になっていきます。

 一般に、相続権は何親等まで、などと思っている人も多いようですが、実は、相続権に何親等という考え方はありません。亡くなった人の配偶者、子、親、兄弟姉妹の順に相続権があります。

 例えば、土地の所有者が亡くなったときに、その人に何人かの子どもがいたものの、誰も土地の登記をせずに、つまり、しっかりと相続をせずに時が過ぎ、今度はその子どもたちが亡くなると、この順位の相続権が続くことになります。

 つまり、4代も前の祖先が登記したままの土地は、数次相続の状態になり、所有権者が、子ども、ひ孫、玄孫と、ピラミッドのように広がっているのです。

 このような土地で災害が起こり、復旧工事をしようとすると、その所有権者すべてから確認をとらなければならなくなるわけです。

 実際、東日本大震災の際には、大変な手間と時間をかけて戸籍をたどる作業が行われました。

 その結果、ほとんどの所有権者が判明しました。その意味では、所有者不明土地が九州の面積に匹敵するなどとも言われていますが、実際には、本当の意味の所有者不明土地というものは、かなり少ないと言うこともできます。

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