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化石燃料ゼロ、CO2フリーの社会へ ―自然エネルギーによる電力エネルギーネットワークの実現を―

田村 滋 田村 滋 明治大学 総合数理学部 教授

我々は“茹で蛙”ではない

 CO2フリー社会の電力エネルギーネットワークでは、電力貯蔵設備だけでなく風力発電や太陽光発電を出力制御する仕組みも当然必要になってくると思われるが、それは今後の研究課題である。また逆転の発想から、電力の消費側を調整制御することが考えられる。これはすでに研究が進められており、消費者を誘導し電力消費量を削減することや家電品のスイッチを直接制御することなどが実証実験で行われている。このように私の研究は、電力エネルギーネットワークの各要素を最適にすることのみならず、電力エネルギーネットワークを全体として最適にするにはどうすればよいかを研究しており、非常に幅広い。
 地球温暖化はまったなしの課題である。個々の人は生活の便利さとともにCO2排出量が増大していることを意識する必要がある。CO2削減に向けた政策も重要だが、国民一人ひとりが節電を心がけ、自然エネルギー導入に際して参加者意識を持つことも求められるだろう。地球温暖化はビーカーの中の蛙にたとえられる。ビーカーの中が熱湯であれば蛙は飛び出すが、次第に温められる状況下では、蛙は水温の上昇に気付かずにやがて茹で上がって死んでしまう。我々は“茹で蛙”ではないことを、個々人が行動で示す時期に来ている。

※掲載内容は2014年2月時点の情報です。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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