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日本のスマホ料金が高いのはユーザーが寛容だから?

山部 俊文 山部 俊文 明治大学 法学部 教授

2018年8月、菅官房長官が、携帯電話料金は4割下げる余地があるとの指摘をしました。ユーザーである私たちにとっては、携帯電話料金が下がるのはうれしい話ですが、一方で、行政機関が民間企業の料金設定に介入するのは望ましくないという指摘もあります。しかし、政府が問題にしているのは、携帯電話業界の構造にあるようです。

大手3社の寡占により、高止まりしている携帯電話料金

山部 俊文 日本の携帯電話料金は諸外国と比べて高いのかと言われても、為替の問題もありますし、また、携帯電話における同等のサービスの比較はなかなか難しく、一概には言えません。

 しかし、諸外国の料金が年々下がっているのに比べると、下がっていない日本の携帯電話料金は相対的に高いとみることができると思います。

 また、周辺事実として、日本の携帯電話業界は、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの大手3社によって、約90%のシェアが占められているのですが、この3社の国内通信事業の売上高営業利益率は約20%です。同じインフラ系企業の東京電力の電気事業や東京ガスの都市ガス事業は約5%〜10%ほどなので、携帯電話大手3社の利益率は相当高いと言えます。

 こうしたことから、携帯電話料金は下げる余地があるという指摘が行われることになったと思われます。

 では、どうしてこのような状況になったのかといえば、携帯電話市場が、この大手3社によって寡占状態になっていることが根本的な原因であると考えられています。

 もちろん、この3社も様々な努力を重ね、市場における競争に勝ち残ってきたわけですが、過去の様々な経緯や規制に対応する中で、3社が同じようなサービスを提供し、同じような料金を設定するようになり、ユーザーとしては他に選択肢がなく、結果として、市場における適正な競争が機能せず、携帯電話料金が高止まりしていると言えます。

 近年では、MNO(mobile network operator)と呼ばれる、自前の移動通信回線設備を保有する事業者の他に、MVNO(mobile virtual network operator)と呼ばれる、MNOの回線設備を借り受けて、安い料金で携帯電話サービスを提供する事業者も出てきました。MVNOが少しずつ伸びているとはいえ、そのシェアは全体で10%程度です。

 料金を比較すれば、もっとMVNOに乗り換えるユーザーが増えても良さそうなものですが、大手3社の提供するサービスには乗り換えを行いにくくする仕組みがあり、乗り換えが活性化しないことも問題になっています。

 では、MNOの提供するサービスのなにが問題なのか、ひとつずつ見てみましょう。

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