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2018.11.21

あなたが住む家は、あなたを地震から守ってくれますか

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固い地盤上に建てられた建物は壊れにくい

平石 久廣  もうひとつ、安心して住むために重要なのは、地盤を確認することです。地盤とは地殻の表層部のことですが、深さは数mから100mに達するものもあり、性質も様々です。建物はこの地盤の上に乗っているようなもので、地震動はこの地盤から伝わってきます。

 ものが揺れる際の一往復の時間を周期といいますが、ものによって固有の周期があり、地盤の固有周期は卓越周期といいます。建物にも固有周期があり、この建物の固有周期と地盤の卓越周期が一致すると、建物は最も大きく揺れ(共振現象)、すなわち変形量が大きくなり、変形角の限度を超えると倒壊してしまいます。

 木造や旧基準の鉄筋コンクリート造が倒壊する時の固有周期は、だいたい1秒から2秒近くです。地盤の卓越周期は、一般に地盤が固いものは短く、1秒には達しません。つまり、地盤が固ければ、そこに建っている建物は共振することがないので壊れる危険が低くなるのです。

 一方、我が国の多くの大都市は沖積地に立地しており、その地盤は概して1秒程度の卓越周期です。従って、このような地盤および埋立地のような悪い地盤では、在来木造や旧基準の鉄筋コンクリート造などは耐震性を確保するのは容易ではないといえます。

 最近は、インターネットで地盤マップを見ることができます。これから住宅を建てたり、購入しようと考えている人は、必ず、その土地の地盤を確認することをお勧めします。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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