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「忖度する社会」、日本の特有性を理解することが重要

小西 德應 小西 德應 明治大学 政治経済学部長 教授

日本を理解することは、日本の未来図を描くことにつながる

小西 德應 日本の社会構造を正しく理解することは、これからの日本をどんな社会として築いていくのかにもつながります。日本社会が、同じ制度を採る他国と構造も本質も同じと考えていては、ビジョンも政策も間違えてしまいます。その意味では、まず、政治家に本来すべき仕事である、ビジョンの提示をしっかりやってほしいと思います。しかし、日本が強いリーダーを良しとしない社会であること、また日本ではますます政治家の仕事と官僚の仕事が接近していることを考えると、私たち一人ひとりが将来像を描くことも同様に大事です。その上で、みんなで決めていくのです。実は、議会政治も明治以降に取り入れられた制度ですが、日本には、もともと寄り合いという意思決定システムがありました。そこでは、活発な議論などはありません。集まった人たちが、わずかな意見や、互いの態度や表情から忖度して別れ、また数日後集まって、を繰り返す中で結論を出していきました。少数派を無視するような多数決もなかったのです。忖度しながらみんなで決めて納得する、それも日本の社会の特徴だったのです。事の良し悪しではなく、日本社会の実情を正確に把握しないかぎり、有効な対策を立てることはできないのです。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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