
2023.02.03
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
インターネットでデータを暗号化して送受信するプロトコルの一つであるSSL/TLSは信頼性が高く、多くのサービスで採用されてきたが、最近その代表的なソフトウェアに脆弱性があることが明らかになった。インターネット上の仮想通貨である「ビットコイン」の取引所が、不正侵入を受けて取引停止、経営破綻した事件も大きな話題となった。新しいサービスには新しいセキュリティの脅威が存在するのである。
インターネット上のサービスを安全に利用するために、ID、パスワードによる本人認証の仕組みがあるが、ここにもセキュリティの脆弱性が潜んでいる。ID、パスワードの使い回しは不正侵入の危険度が高まるのである。電子署名やIDフェデレーション(ID連携により、パスワードを増やさずにサービスを利用するシステム)などの仕組みが整備されれば、インターネットはより安全により自由に利用できるツールへと進化するだろう。現在、インターネットのセキュリティを確保するため、多くのアンチウイルスメーカーが存在するが、こうしたメーカーを必要としないネット社会が到来することが、私の究極の夢でもある。
※掲載内容は2014年5月時点の情報です。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。