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グローバル化による「組織パラドックス」をマネジメントするには

明治大学 経営学部 教授 青木 克生

パラドックスはあることが当たり前と考えることが重要

青木 克生 かつて、日本の「ものづくり」が世界を席巻した時期があり、「日本式」をインストラクトすることが成功のパラダイムであると、身に染みてしまっている企業もあるかもしれません。

 そういう企業ほど、現地の人材の知識や能力を活かすことが重要な課題になっている現在でも、例えば「日本式」の年功序列の概念がネックになっていることに、あえて目を閉ざしてしまう傾向があります。

 まず、そもそもパラドックスがあることが当たり前と考えることです。そこに、絶対的なパラダイムはありません。

 例えば、みんなが一丸となり、ひとつの方向に向かっていると感じたとき、それは一体感のあるとても良い状態と感じられるものですが、逆に言えば、コミュニティが固まってクローズしている状態でもあるかもしれません。

 すなわち、他者に対してオープンさをシャットアウトしているかもしれないのです。それでは、いずれ行き詰まってしまうでしょう。

 だから、ひとつの方向に向かっていると感じた瞬間に、対極にある方向を考えることが、実は、とても重要になります。

 要は、一人ひとりが、普段、自分のやっていることに疑問をもつことです。方向はひとつではなく、多様な形で多様な方向性があります。それに気づくか、気づかないかは大きな違いになります。

 パラドックスを見出して、自分の行動を修正していくことができれば、それは、長期的に見て大きな力になります。

 「日本式」にこだわっていることに気がつかないことも、「日本式」をすべて否定して西洋式になることも、競争優位性を失うことになるのですから。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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