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トランプ氏の勝利によって高まるhateの潮流にストップ!を

明治大学 政治経済学部 教授 海野 素央

データを混乱させた「隠れトランプ」の存在

 トランプ氏のメッセージは過激であるがゆえに、支持者に従来にはない現象を起こしました。それが「隠れトランプ」です。戸別訪問で、「あなたの票に期待していいのか」と聞いても、ニヤニヤ笑うばかりではっきり答えない白人がいます。彼らはトランプ支持者なのですが、自分が人種差別者だとか性差別者と思われるのが嫌で、態度をはっきり見せないのです。また、トランプに投票すると言わず、「変革に投票する」という人たちもいます。彼らにとって、変革をするのはトランプ氏なのですが、やはり、明言はしないのです。こうした人々は、データ上は「決めかねている」に分類されます。さらに、私がクリントン陣営の公式の帽子をかぶりバッジを付けているのがわかると、戸を閉めて出てこない人もいます。彼らも近所の評判を気にする「隠れトランプ」です。しかし、データ上は「回答拒否」に分類されます。こうした「隠れトランプ」がクリントン陣営のデータを狂わせ、戦略ミスの一因となりました。私がバージニア州のデータを集計したところ、「決めかねている」は2割、「回答拒否」は1割ありました。つまり、最大で3割の「隠れトランプ」が存在していたことになるのです。大手メディアも同じように正確なデータを得ることができませんでした。一番正確なデータを持っていたのは、トランプ陣営です。トランプ陣営はネットで支持者を登録していました。支持者たちは、近所から人種差別者とも性差別者とも見られる心配がないネットで、トランプ陣営とコミュニケーションをとっていたのです。さらに、選挙の中盤で選対の本部長に就いたコンウェイ氏は世論調査の専門家です。コンウェイ氏は、ネット上で支持者を対象にアンケート調査を実施していました。質問項目が戦略的でまるで2012年のオバマ陣営のようでした。

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