
アイデアの泉自分を絶対視せず、人や本、歴史に真実を求めよう
教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【46】
近年「ポスト・トゥルース」という言葉をよく耳にするように、その情報の中身が真実かどうかは関係なく、感情的・個人的意見で人を熱狂させることがもて囃されるような時代になりました。
逆に言うと、だからこそ本当の真実、客観的な事実は貴重となり、その価値が高まっているのだろうと思います。
よく学生のレポートなどでも見受けられるのですが、資料の出処がインターネットの場合、実際に内容を確認するためにリンク先を開いたら「ご覧になったページは存在しません」ということがあります。
インターネットは便利ですし、ツールとして有効であるのはいうまでもありません。しかし、誰もが同じ条件でアクセスでき、史料やデータに裏付けられた正確な「事実」(歴史的事実)を情報として選択していくことが重要なのです。
また、ポスト・トゥルースのように自分を絶対視することがないよう、物事を相対化して考えることも大切なことです。
自分と興味関心の近い人とだけでなく異分野の人と交流して刺激を受けたり、街中の本屋や図書館へ出向くことでネット書店では選ばなかったような本に偶然出会ったり、歴史を通して過去の人たちから学んだり。
色々な次元で自分と違うものに触れることで、様々な知識が得られ、新しい発想が生まれるのではないでしょうか。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。