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どんな時も、自分の価値観を大切にしよう

勝田 忠広 勝田 忠広 明治大学 法学部 教授

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【74】

私の人生に影響を与えた人は、核化学者の高木仁三郎先生です。在野の研究者として反原発のNGOを立ち上げ、原子力や原発の危険性に警鐘を鳴らし続けた人でした。

私はずっと核融合の研究をしていたのですが、やはり被曝の問題などもあり、本当に世の中のためになっているのか、このままこの道を進むべきなのか、様々な事に悩み始めていたのです。

そんな時に高木先生が“もう1つのノーベル賞”とも言われる「ライト・ライブリフッド賞」を受賞されたというニュースを耳にして。脱原発を訴えている人がこんな大きな賞をもらえるんだと驚きました。

それから、科学者であっても自分の考えをきちんと提示しなくてはいけないのだと気付かされたのです。日本は余計なことは言わずに、自分の研究に没頭しなさいという風潮だったので。

そこで私は高木先生にコンタクトをとって、東京でNGOのお手伝いを始めました。ほどなく先生は癌であることが分かり入院されましたが、お見舞いに行ってはお話しをするような関係が続きました。

ところが99年、茨城県東海村の核燃料加工施設で臨海事故が起こった時は違いました。この時も先生は入院されていたのですが、半ば強引に抜け出しされて。2人で様々な分析を行ったのです。

日数にするとわずか1週間程度ですが、本当にたくさんのことを先生から学ばせていただきました。私の人生において非常に貴重な時間になったのです。

やはり好きなこと、嫌いなことにはきちんとこだわらないといけないのですよね。人生の岐路ではもちろん、たとえ数ある仕事の1つであっても、まずは自分の価値観に照らし合わせてみる。

なぜ好きなのか、嫌いなのか。どうしたいのか、どうしたくないのか。そうすれば必然的にその案件について深く、長く考えていることになるわけですから。

だから、正直に生きるのがベストだと思います。そして、その道は自分で見つけなければなりません。でも、私にとっては高木先生がまさにそうでしたが、ヒントやお手本は必ずあります。

ぜひ、自分の中にある譲れない価値観を見つけ出して、心の声が示す道を諦めずに進んでください。その選択の正しさは、いつか必ず証明されると思いますよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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