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歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【67】

私がこれまで影響を受けたのは、物理学者のアインシュタイン、哲学者の梅原猛、版画家のエッシャーです。

まず一人目のアインシュタインですが、インフェルトとの共著『物理学はいかに創られたか(上巻・下巻)』を学生時代に読み、学問の魅力に惹かれました。

アインシュタインと言えば相対性理論を提唱した天才。普通の人にはないひらめきがあると思っていましたが、本の中では観測データを素直に読み解くことで、相対性理論も含めて様々な物理理論が生まれると解説されていました。

素直にデータを眺めることができれば、天才でなくとも学問に貢献できると安心したのを覚えています。私も研究者になれると思わせてくれた、きっかけの本です。

次に影響を受けたのは梅原猛です。哲学者ですが、歴史学の定説や常識にとらわれず、新しい説を明快に主張する本を出版されており、どれも推理小説のように面白くてたくさん読みました。

歴史というのは無機質なものではなく、背景には生身の人間がいる。その人間がその時々にどんなことを考えていたか想像すればおかしな歴史理論は出てこない、と痛快に書かれていました。

梅原氏の本から学んだのは、自分の信念に従い、学問の世界で自分の思いや考えを、勇気を持って主張すること。この研究スタイルには憧れました。

最後は私が研究中の立体錯視とも重なる、オランダの版画家・エッシャーです。

かつて私はロボットの目の開発に取り組み、その目に映った立体の奥行を読み取る方法を研究。計算法を見つけてプログラムを完成させました。その性能を確かめるために、エッシャーが描いたようなだまし絵(不可能図形)を読み取らせてみたんです。

“そんな立体はない、間違っている”という答えを期待していましたが、結果は“だまし絵は立体として作れる”でした。

もしかしたら常識的には不可能なこと、例えば水が上に逆流するエッシャーの「滝」のような絵も立体として作れるかもしれない。これを機に、自分でも錯覚の作品を手掛けるようになり、今の研究へとつながっていったのです。

これまで影響を受けた3人からは偶然にも、先入観や常識にとらわれず、目の前のことを素直にとらえる、ということを学びました。

皆さんもビジネスの場や日常生活において、まずは先入観をなくすことから始めてみてはいかがでしょうか。素直に物事を眺めてみると、何か違ったものが見えてくるかもしれません。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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