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人を動かすために、尊敬される上司を目指そう

高倉 成男 高倉 成男 明治大学 名誉教授(元専門職大学院 法務研究科教授)

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【66】

私がかつて特許庁の審査官をしていたときに、「こういう行政マンでありたい」と影響を受けたのは、当時の上司である荒井寿光氏です。

荒井氏は25年前、特許庁長官として在職中に、総理大臣の下に「知的財産戦略会議」を創設。政府全体の「知的財産推進計画」を立案し、実行することに指導力を発揮されました。

その構想力、行動力、改革力、表現力、調整力、人間性、現場を重視する姿勢など、すべてにおいて魅力的な方で、強く印象に残っています。

氏から学んだことは多々ありますが、そのひとつは、“組織人として人を動かす力の源泉は、自ら尊敬される人物になること”でした。

たとえば、管理職の立場の人間が人事権を発動しても、部下の心を動かすことはできません。見かけ上はついてきた振りをしていても、チームの一員として働いてもらうには、上司に対して尊敬する気持ちがないと上手くいかないのです。

では、尊敬される人物になるにはどうしたらよいのか。私は「人間的な魅力、専門知識、コミュニケーション能力」の3つが大切だと思います。

知識がない、専門性もない、仕事もできないけれど、人間性は素晴らしい人や、逆に人柄が悪くてもみんなから頼られる知識を持つスペシャリスト。

そのどちらでもなかったら、部下を盛り上げ、楽しくさせるようなコミュニケーション能力を持つこと。

読者の皆さんも、若い人たちを引っ張っていくのに苦労されているかもしれませんが、このうちのどれか1つでも身につけられれば、部下を動かす力になるはずです。

私自身、なかなか実行できていませんが、荒井氏のように人から尊敬される人間でありたいと思い続けています。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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