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教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【23】

私が人生で影響を受けたのは、父であり、会計学者の先輩でもある、山口孝です。

父親を挙げるのは気恥ずかしい部分もあるのですが、学者がいかに生きるべきか“実践”を見せてくれた大きな存在となっています。

父は「駄目」と言ったことのないとても優しい人でしたが、私が子供の頃は仕事が忙しく、あまり話す機会がありませんでした。

距離が近づいたのは、父の在学研究中に、大学院生だった私がヒアリングの苦手な父の耳代わりにロンドンへついて行ったときのこと。二人で慣れない海外生活を乗り切り、信頼関係が深まりました。

その後、父が定年を迎えてから亡くなるまでの23年間は、近所に住んでいたこともあり、毎日のように父と議論を楽しむようになったのです。

父の趣味は英字新聞と哲学書を読むことでした。学問のことだけではなく、国際的視野から、また世界史的視野から、日常の中で面白かったことや、感動したことなどを論評しました。

私が授業を行うときや、学会で発表をするときには、父に話すことでその構想を固めたり。父も講演をするときは、私をたたき台として使ったり。お互いに存在を活用し合っていました。

私が若い頃は、意見の異なることも多かったのですが、そんなときも父は私を否定せず、「そうなの、なるほどね」と受け止めてくれるので、議論も弾みやすかったように思います。

父との議論の習慣は、私の教育者としてのベースにもなっていて、ゼミでは毎回、学生にこの一週間で面白かった出来事を話してもらうようにしています。

幅広い雑談を通して、「考える力」を高めているのです。

このように、皆さんの職場でも、自由に何でも話し合える場を作ってみてはいかがでしょうか。

業務の話はもちろんのこと、趣味や芸術の話をしたり、若い世代の意見を積極的に取り入れたりすることで、新しい発想に繋がるかもしれませんよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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