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広く深く教養を身につけ、人間力を高めよう

小林 正人 小林 正人 明治大学 理工学部 教授

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【46】

私は建築構造を研究していますが、この道に進む決断や研究に対する姿勢において大きな影響を受けたのは、恩師である本学名誉教授の洪忠憙(こうただき)先生です。

洪先生は民間の建設会社に所属時代、日本最初の本格的な超高層建築である「霞が関ビルディング」の設計および研究開発に携わられました。

建築構造の研究者ですが、講義では技術の背景にある歴史や文化などを語られる様子がまるで哲学者のようで、その人柄に惹きつけられてゼミに参加したのです。

建築だけでなく、橋梁や船舶、航空機など、構造力学が関わる幅広い分野の教えを受け、薫陶を授かりました。

先生の研究に対する姿勢は、誤解を恐れずに一言で表せば“設計のための研究”でした。先生は、「設計は研究を基にやるべきだ」とお考えで、そのため、設計と研究のつながりをとても重視されていたのです。

建築は衣食住の“住”に当たるものですから、その設計は人間社会に大きな影響を及ぼします。その設計を支えるための研究をすべきということなのでしょう。

この考えはいつの時代にも通用するものですし、このような姿勢で研究に取り組むことが先生の教えと理解し、私も学生の研究指導に当たっています。

いま自分が教員として改めて感じることは、広く深い教養がないと洪先生のような教育はできないということです。

ビジネスの世界においても、人を惹きつけ、導いていくには、大量の情報や先進的な技術を駆使するだけでなく、時代に左右されない本質を見極め、それをわかりやすく伝えられる教養が必要なのではないでしょうか。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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