2024.03.14
- 2021年8月3日
- リレーコラム
一人ひとりの適性を見極めた指導を心がけよう
坂本 祐太 明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。
教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【29】
私は言語学を専門にしていますが、学部・大学院時代に出会った3人の指導教員から大きな影響を受けました。
言語学に興味を持ったのは、学部時代に教わった牛江一裕先生がきっかけ。人柄の良い先生のことが大好きになり、先生の担当する授業だからと言語学のテスト勉強を頑張ったことで、学問としての面白さに目覚めたのです。
学生の飲み会にも積極的に参加し、ざっくばらんに話をしてくださる先生の姿を見ているうちに、将来はこんな大学教員になりたいという夢を自然と抱くようになりました。
2人目の髙橋大厚先生との思い出は、修士課程時代に愛のあるしごきを受けたこと。今にしてみれば、私が博士課程への進学と、大学教員になることを目指していると言っていたため、学問にしっかり取り組めるよう、あえて厳しく指導してくださっていたのだと思います。
大学教員となった現在、髙橋先生のように学生と本気で向き合い、徹底した指導を行うこともときには必要なのだと実感しています。
その一方で、博士課程時代のジェリコ・ボシュコヴィッチ(Željko Bošković)先生からは、人を褒めて伸ばすことの大切さを教えてもらいました。
先生は、たとえ学生が持ってきた研究が中途半端であっても、どこかしらに良いところを見つけ、「ここをこう考えればとても良い研究になる。今まで誰も考えたことのないような法則が見えてくるかもしれない」と、本人の研究意欲を高めてくれるのです。
私も学生が発表する際には良かったところをすぐに伝えるようにするなど、先生の教えがロールモデルになっています。
振り返ってみると、言語学をやりたいと思わせてくれた牛江先生、キャリアアップを控えた時期に叱咤激励してくれた髙橋先生、独創性を必要とするときに能力を伸ばしてくれたジェリコ・ボシュコヴィッチ先生と、そのときどきで必要な先生と出会えたことが財産になっています。
皆さんの周りにも、褒めて伸びる人、厳しく接することでやる気を出す人など、様々なタイプの人がいると思います。
部下の指導に迷ったときは、その人の適性や状況をよく見定めて、アプローチを変えてみるのも良いかもしれませんよ。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。