アイデアの泉立場が異なる人との会話から解決の糸口を探ろう
教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【40】
私が研究しているマネジメント・コミュニケーションは、経営学の多くの分野と同様、実用と縁が深い分野です。
そうした事情もあり、実務家との議論が発想のきっかけとなることが多くあります。
読んだり考えたりしてわかることと、実際に人と話をしてみたときに起きる反応とでは、やはり違います。
特に、普段一緒にいない人と話をしたりすると、「あ、そうか! そういうふうには見なかった」とか、「そこばかり大事に思っていたけど、違うところから見たらそうでもないかもしれない」というような発見があります。
皆さんそれぞれ違う現実を生きているので、そこから得られる気づきは大きいですし、私自身が実務に携わってきた中で経験したことにも照らし合わせながら言語化することで、身近な問題の解決の糸口を提示できればと考えています。
学生も、いつもとは違う人たちとの交流から学んでいるようです。ゼミ生同士、同じメンバーで研究に取り組んでいると、安心して研究を深められる良さがある一方で、テーマやアイデアが固定し過ぎたり、内輪の論理に流れてしまうこともあります。
よその大学と交流することで「自分たちの理屈とは違う理屈で別の社会は回っているかもしれない」「違うけれど、同じところもあるようだ」と気づいたり、意識を外に開くきっかけになっているようです。
異なるグループや異なる世代との会話を通して新しい見方が生まれたり、課題を解決する手がかりが見つかるかもしれませんよ。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。