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「無知の知」を生きることで新たな発見を得よう

明治大学 経営学部 教授 川竹 英克

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【6】

「アイデアの泉」かどうかは分かりませんが、私自身が先人から受けた啓示の一つは「無知の知」(無知を自覚することが真の知に至る道であるというソクラテスの考え方)にはじまるものです。

今や現代人は旅行やネット、高度な教育を通して多くの知識を易々と得ることができます。こうした知識を満足げに誇示するような露出狂に出会うと、いつものことですが、少々の苛立ちと大いなる違和感を覚えますし、そんな人とは本気で話す気もなくなってしまいます。そうした人に決定的に欠けているのが「無知の知」です。
 
分かったつもりでまくし立てる人はむしろ知的テロリストと言うべきでしょう。敬意と羞恥心をもって知識と向き合うのであれば自然と「無知の知」を自覚するはずですし、それゆえもっと知りたいという謙虚な気持ちで未知の知識と発見に遭遇することにもなると思います。

一方で、教科書を読んだだけで分かったつもりになるとすれば、むしろ知性だけでなく感性も欠いた凡庸さと言わざるを得ないでしょう。

たしかに「無知の知」とは知識と関わるときの倫理のようなもので、逆に言うと、知識はまず疑ってみるべきという教えにも思います。とりわけ、自明とされているような知識には距離をもって観察する必要があるのではないでしょうか。

繰り返しますが、知ることで分かったつもりになるという誘惑には注意した方がいいと思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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