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先入観に捉われず、現地の声に耳を傾け行動しよう

明治大学 国際日本学部 教授 溝辺 泰雄

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【12】

服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記(増補版)』(中公新書・2009年)

この本は、日本銀行の外国局渉外課長だった著者が、中央銀行の総裁として中部アフリカのルワンダに赴任した6年間(1965年~71年)の記録です。当時ルワンダはインフラ、教育、金融制度がほぼ未整備といった絶望的な状況でした。そのなかで著者は日本の戦後復興を日銀マンとして支えた自らの経験を活かし、IMF、欧米の諸銀行、さらに各国政府との交渉を通して、通貨改革からルワンダ人商人の育成事業までさまざまな政策を実行させていきます。

「ルワンダ人の福祉とは、ルワンダ人が望ましいと思うことを実現すること」を信条とする著者にとって、ルワンダの発展は、先進国の一方的な技術援助によるものではなく、あくまで「ルワンダ人農民、ルワンダ人商人の、地道で自発的な努力によるもの」でした。ルワンダの人々を“怠け者”と取り合わない欧米のステレオタイプを受け入れず、現地の目線でしっかりと状況を把握し、現地の文脈で必要な政策を模索したことによって経済再建への道筋をつけたのです。

このような著者の姿は、アフリカ地域研究者のみならず、出張や転勤などで開発途上地域に赴くビジネスパーソンにとって大変参考になると思います。古い時代の本ですが、近年は若い世代の間で話題になるなど、現代においても多くの示唆に富んだ内容だと思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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