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日本の仕入税額控除にはまだ不公正がある

沼田 博幸 インボイス方式の導入で、目に見える不公正は解消されることが期待できます。しかし、日本の仕入税額控除にはまだ問題があります。事業者は経費扱いとすれば、高級レストランでの飲食も、高級車の購入も、仕入税額控除できることになっているのです。これでは、つねに消費税を払っている一般消費者に対して不公平です。

 実は1990年に、当時の消費税の標準税率3%に対して、食料品を1.5%の軽減税率にする税制改革案が検討されたことがありました。その際、税収減少の対策として、事業者の交際費や自動車の購入費は仕入税額控除から除外する案が出ました。そのときは軽減税率の案がつぶれたため、仕入税額控除の見直しもなくなりましたが、今回は軽減税率導入が決まったのですから、仕入税額控除の制限を実施し、贅沢な消費に対する課税漏れの解消を検討すべきです。こうした仕入税額控除の制限は、欧州では広く行われています。それは、税収減少の補填となるだけでなく、本来、不公平があってはならない税制の是正につながるものと考えます。

 消費税の実質的な負担者は消費者であり、事業者の役割はいわば徴収代理人として納税事務を負担することです。事業者の過度な優遇につながる仕組みは見直すとともに、軽減税率の適用など執行面で発生する問題には、事業者と税務当局とが互いに協力して解決することが望まれます。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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