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「地域創生」の基点は民俗文化にある ―伝統芸能や祭り行事と地域力の関係からの提言―

居駒 永幸 居駒 永幸 明治大学 名誉教授(元経営学部教授)

“辛さ”と付き合う思考に豊かさを見出す

居駒永幸教授 民俗文化は伝統芸能や祭り行事だけではなく、生活全体と考えてみることも大切です。そこには、雪国なら雪とどう付き合うか、生活上の様々な仕組み・知恵があります。私も雪の多い山形県の出身ですが、雪は厳しく辛いものです。寒いし、道は閉ざされるし、事故も多い。冬場は雪との闘いです。でも、雪とは闘うだけではありません。雪と親しむ文化もあります。スキーのように雪国だから楽しめるスポーツもあります。雪は豊かなもの、という一面を活かしたいものです。雪国には「利雪」という言葉があります。マイナス面ではなくプラス面を引っ張り出していくという発想です。逆に暖かい沖縄などでは、暖かさが持つ豊かさを活かす思考があります。まさに「地方創生」とは、各地域ならではの民俗文化を尊重し、豊かさを見出し、活用していくことが求められているのです。

3月14日(土)に明治大学古代学研究所と世界遺産「飛鳥・藤原」登録推進協議会主催の講演会およびトークセッションが明治大学リバティホールで開催されます。「飛鳥万葉とは何か」と題して、私も講演を行う予定です。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~meikodai/obj_info.html#asukafujiwara2015

※掲載内容は2015年2月時点の情報です。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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