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2026.03.12

時代の変化に即して存在意義が増していく、日本の公共図書館

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SDGsの「誰一人取り残さない」という理念にも適っている、図書館の取り組み

 現在の図書館は、地域の活性化やにぎわい創出に貢献しうる施設としても位置づけられています。商業施設やほかの公共施設と複合化し、地域の中核施設として整備される状況も出てきました。公共施設を複合化することで、建設費用の節約や市民の利便性の向上も期待できるのです。

 建設にあたっては、ワークショップやアンケートを実施するなどして、市民の意見を取り入れる状況も一部に見られます。市民が参加することでつくられた図書館は、施設が完成したあとも、たとえば「図書館友の会」を立ち上げ、図書館の運営やサービス提供に市民が部分的に関わるケースもあります。企画や設計段階から関わることで当事者意識が芽生え、その後の図書館との協働へとつながっていく。いわば、市民が図書館を支える仕組みが生まれているともいえます。

 さらに近年、図書館のサービス活動は、国連が推進するSDGs(持続可能な開発目標)の「誰一人取り残さない」という理念に適っていることにも注目が高まっています。

 これまでも図書館は、視覚や聴覚などに障害のある方への「障害者サービス」、お年寄りへの「高齢者サービス」、日本語が母語でない外国の方などへの「多文化サービス」として、資料や情報を提供してきました。多様性が重視される社会にあって、このような図書館におけるサービスを社会包摂の視点でとらえることで、よりいっそう重要性を増すことになるでしょう。

 また、ユネスコ加盟国が、公共図書館の本質的役割や目的、運営の原則についての共通認識を表明した「IFLA-UNESCO公共図書館宣言2022」においても、情報、識字、教育、包摂性、市民参加、および文化を、公共図書館の基本的使命として、図書館サービスの中核とする必要性を示しています。さらに、こうした基本的使命を通じて、公共図書館はSDGsの目標達成や、より公平で人道的な持続可能な社会の建設に貢献する存在となり得ると位置づけられています。

 そのため各国の図書館では、とくにSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の達成に貢献するべく、貧困地域の子どもたちの識字率向上や読書・学習の推進、高齢者の情報活用能力の向上などへの取り組みが進められています。

 日本の図書館でも、SDGsの17の目標に関わるパネルや資料コーナーを設置したり、読み聞かせや関連するイベントを開催したりする取り組みが行われています。図書館が自治体内の他部署と連携・協働する事例もあります。たとえば、図書館が所蔵する資料や情報を活用して、他部署が進めているSDGsの目標達成に向けた事業活動を図書館で紹介することで、市民に啓発活動を行うところも見られます。

 図書館は、世の中の動向に即して、さまざまな形で資料や情報の提供を通して市民と関わり、生活や仕事を支えることでその役割を果たしてきました。集客力も親和性も高い公共施設なので、情報の発信や共有の場という強みをうまく使っていけば、その価値を引き出していくことも可能です。時代を経て取り巻く状況が変わっていくなかにあっても、図書館と市民がともに支え合う関係性を構築し、維持していくことで、図書館の存在意義が高まるのではないでしょうか。
現在の図書館は、地域の活性化やにぎわい創出に貢献しうる施設としても位置づけられています。商業施設やほかの公共施設と複合化し、地域の中核施設として整備される状況も出てきました。公共施設を複合化することで、建設費用の節約や市民の利便性の向上も期待できるのです。

 建設にあたっては、ワークショップやアンケートを実施するなどして、市民の意見を取り入れる状況も一部に見られます。市民が参加することでつくられた図書館は、施設が完成したあとも、たとえば「図書館友の会」を立ち上げ、図書館の運営やサービス提供に市民が部分的に関わるケースもあります。企画や設計段階から関わることで当事者意識が芽生え、その後の図書館との協働へとつながっていく。いわば、市民が図書館を支える仕組みが生まれているともいえます。

 さらに近年、図書館のサービス活動は、国連が推進するSDGs(持続可能な開発目標)の「誰一人取り残さない」という理念に適っていることにも注目が高まっています。

 これまでも図書館は、視覚や聴覚などに障害のある方への「障害者サービス」、お年寄りへの「高齢者サービス」、日本語が母語でない外国の方などへの「多文化サービス」として、資料や情報を提供してきました。多様性が重視される社会にあって、このような図書館におけるサービスを社会包摂の視点でとらえることで、よりいっそう重要性を増すことになるでしょう。

 また、ユネスコ加盟国が、公共図書館の本質的役割や目的、運営の原則についての共通認識を表明した「IFLA-UNESCO公共図書館宣言2022」においても、情報、識字、教育、包摂性、市民参加、および文化を、公共図書館の基本的使命として、図書館サービスの中核とする必要性を示しています。さらに、こうした基本的使命を通じて、公共図書館はSDGsの目標達成や、より公平で人道的な持続可能な社会の建設に貢献する存在となり得ると位置づけられています。

 そのため各国の図書館では、とくにSDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の達成に貢献するべく、貧困地域の子どもたちの識字率向上や読書・学習の推進、高齢者の情報活用能力の向上などへの取り組みが進められています。

 日本の図書館でも、SDGsの17の目標に関わるパネルや資料コーナーを設置したり、読み聞かせや関連するイベントを開催したりする取り組みが行われています。図書館が自治体内の他部署と連携・協働する事例もあります。たとえば、図書館が所蔵する資料や情報を活用して、他部署が進めているSDGsの目標達成に向けた事業活動を図書館で紹介することで、市民に啓発活動を行うところも見られます。

 図書館は、世の中の動向に即して、さまざまな形で資料や情報の提供を通して市民と関わり、生活や仕事を支えることでその役割を果たしてきました。集客力も親和性も高い公共施設なので、情報の発信や共有の場という強みをうまく使っていけば、その価値を引き出していくことも可能です。時代を経て取り巻く状況が変わっていくなかにあっても、図書館と市民がともに支え合う関係性を構築し、維持していくことで、図書館の存在意義が高まるのではないでしょうか。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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