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国土の周辺から日本社会を見る地域が変わると、日本の社会が変わる。

中川 秀一 中川 秀一 明治大学 商学部 教授

国としてのグランドデザインの中で、地域振興を考える

 現在、日本の文化・伝統を世界に発信する動きは活発だ。しかし、和食だけでなく、外国に紹介できるものはまだまだある。雪が大量に降って、どんなに山奥で人が住んでいても、自然は美しく、食べているものもすごく美味しい。外国人から見たらそれが面白いのではないか。
 大都市は社会全体への影響が大きいが、周辺の社会が変わると、日本の社会に変化が生まれ、これまでとは違うより住み良い社会になるのではないだろうか。一極集中ではなく、多極化が進行することで、周辺の社会から日本を見ていくことが可能になる。今、そういう契機が来ていると思う。
 しかし、国土の周辺にある地域が存続し得るかどうかは、差し迫った状況にある。学生たちには、海外に出かけるのも悪くはないが、自分の国の現在をもっと見てもらいたいと願っている。農山村の棚田の石垣の美しさは、そこで農耕が営まれていなければ、失われてしまうものだろう。しかし、日本農業の置かれた状況は、その存続を容易には許さない域に入っている。棚田が維持できなくなる状況を知って「残念だ」と感じることができるためには、棚田の美しさを理解していなければならない。すべての日本の農業集落が危ないわけではなく、多くの集落は存続する力を有している。今あるところが、どのような条件でこれからも存続が可能なのかという研究を進めていくことが重要だと思う。
 私は、地域資源の利活用の拡大を通じた、国土周辺の地域経済・社会文化を再構築する社会的な仕組みを作ることが求められていると思う。国土周辺からの展望によって、国土政策のあり方を考えることも重要な研究テーマであると考えている。

※掲載内容は2013年11月時点の情報です。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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