新しい可能性を生むのは多様性を受入れる“余裕”
そもそも、社会は多様な個人から成り立っています。にもかかわらず多くの社会で歴史的に、そしていまも少数者が抑圧されています。しかしいま、多様性に価値を見出し、個を重んじる社会を構想する方向へ風向きが変わりつつあります。現在の「LGBT」ブームにおいて、日本に暮らす私たちや私たちが属する組織、私たちがつくる社会は、これを単なる一過性のブームで終わらせることなく、この移行をスムーズに行い、このチャレンジをチャンスに変えることができるか、試されているといえます。マイノリティの人々が、どう社会に包摂されていくのかが、その鍵だといえるでしょう。自分と他者の違いを楽しめるぐらい余裕のある社会になれば、違いに基づく抑圧や生きづらさが減るのかもしれません。
社会や文化で新しい何かが生まれるには、異質なものに対して、排除ではなくオープンでいることが大切ではないでしょうか。いま日本で、そして世界で起きている変化を柔軟に受け止めるために、心に余裕を持ちたいものです。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。