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再生医療の進歩にも繋がる、独自の人工骨開発技術がある

明治大学 理工学部 教授 相澤 守

近年、人工骨の研究が注目され、期待されています。背景には、日本が超高齢社会に突入していることがあります。加齢とともにもろくなる骨をサポートしたり、再生する技術は、健康寿命の延伸に大きく関わります。この研究に、独自の取り組みでアプローチしている研究室が本学にあります。

自家骨移植に匹敵する人工素材の開発

相澤 守 最近は、「バイオマテリアル(生体材料)」という言葉を耳にする人も多くなってきたと思います。これは、人の身体に接して使われる材料ということで、様々な種類、用途のものがあります。身近なところでは、コンタクトレンズなどもその一種です。

 私たちが研究している人工骨も、バイオマテリアルになります。

 人工骨というと、骨折したり、なんらかの障害がある骨をサポートするものをイメージする人が多いと思います。

 例えば、人工股関節は、筒状の大腿骨に差し込んで固定する棒状部分はチタン素材、股関節の動きを生み出す球状のものはセラミックス、その受け皿部分は超高分子量ポリエチレンで構成されます。この3つの素材を体内に埋め込み、股関節をスムーズに動かすことができるようにするわけです。

 これらの素材は体内の組織に影響を及ぼすことは少なく、また、腐食等も起きないため、ずっと体内にとどまり機能し続けます。

 一方で、人工骨には、実際の骨と結合したり、吸収置換するタイプの素材もあります。

 例えば、リン酸カルシウムの一つである「水酸アパタイト」は実際の骨の組成にすごく近い素材で、これを体内の骨に付着させると、骨と結合して骨そのものになっていきます。また、「リン酸三カルシウム」は、体内に入れると、溶けて実際の骨に置き換わる吸収置換タイプの素材です。

 こうした素材を使うことによって、骨の疾患や病気を回復させることができるわけです。

 実際の治療で、こうした素材を使うときは、ほとんどの場合、自家骨移植を行います。例えば、治療する部分の骨を少し採取し、アパタイトを混ぜて体積を増やし、患部に移植する方法です。

 この自家骨移植は、移植する骨がもともと自分の骨であるため、拒絶反応が起こらなかったり、治りが早く、骨の強度も高くなるという利点があります。そのため、現在では、ゴールデンスタンダードと言われるほど、最も一般的な治療法になっています。

 一方で、患部から骨を採取するには採取量に限界があります。そこで、身体のほかの部分、多くの場合、腰骨から骨を採取することもあります。

 その場合は、患部だけでなく、身体の健康な部分も手術しなければならず、患者さんの身体に余計な負担をかけることになります。しかも、それでも骨の採取量が不足することもあります。

 そこで、実際の骨を使わず、人工的な素材だけで自家骨移植に匹敵する成果が得られる素材づくりに、私たちは取り組んでいます。

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