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2016.09.06

EUの歴史を消滅させかねない、イギリスの離脱

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我々は過去を忘れるが、過去は我々を忘れない(映画「戦場でワルツを」より)

 私たちは、いま目の前にある現実は自然にできあがったものであり、そう簡単に崩れるものではないと思いがちです。しかし歴史を見れば、人類の様々な叡智が積み重なっていまの状況になっていることがわかります。それを忘れてはいけません。忘れてしまうと、崩れるはずがないと思っていたものが、崩れてしまうのです。20世紀半ばまで地球上で最も激しく対立しあっていたヨーロッパが、第2次世界大戦後はそれがあたかもなかったかのように、平和で安心できる地域になったのは、自然にできあがったものではないのです。EUの成り立ちを忘れ、目の前の損得だけでこの先の判断をするべきではありません。私たち歴史の研究者は、いま目の前にある現実がどういう経緯でなり立っているのかを、わかりやすい言葉で伝えていかなければならないと思っています。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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