座右の銘、私のモットー何事も楽しむことで長続きし、成果を得ることにつながっていく
教授陣によるリレーコラム/座右の銘、私のモットー【8】
私が座右の銘にしているのは、子産の言葉「楽則能久」(楽しめばすなわちよく久し)です。
子産は中国の春秋戦国時代、鄭の宰相で、東アジア世界において初めて法を成文化した人です。「楽則能久」は晋の范宣子に送った手紙の一節で、「国家の政を行う際に、徳があれば人々はそれを楽しむために国家は長続きする」という意味で使われたと思います。
直木賞作家・宮城谷昌光の『子産』という小説で知った言葉ですが、出会った当時は、大学院で研究者の卵として生活をしていた頃です。自分でテーマ設定し、工夫をしながら研究成果を得ていかなければならないのですが、研究は100やって97ぐらいは失敗するものです。常に当たって砕けていて、自分はこのままでいいのかと感じていたときに、この言葉を知りました。私は、これを「取り組んでいることを楽しめば末永く継続できる」というメッセージとして受け取り、社会に密接した今の研究を楽しみながら続けようという、励みになりました。
今では新しく入ってきた研究室の学生にも伝えるようにしています。とにかく取り組んで楽しんでみてと。地道で時間のかかる研究は、最初は面倒くさいと思うかもしれませんが、頑張って手を動かして進めていけば、面白いと思えるような結果が出てくるときが必ずある。「やらされている」という意識で臨むのではなく、取り組んでいることに面白さを見いだし、自分から動いて楽しめれば、末永く継続できるんだと。
学業にしろ仕事にしろ、つらいこともたくさんあるのが現実です。各人なりに一生懸命に取り組んでいても、世の中のほとんどは自分の思い通りにはなりません。社会人の方も、希望通りの配属にならなかったり、やりたい業務に携われなかったりすることもあるでしょう。
しかし積極的に取り組んでみれば、やがて楽しくなり、すごい成果につながったという話もよく耳にします。自分の置かれている場で頑張ってみれば、どこかに面白いことが出てくるでしょうから、まずは楽しむつもりで取り組むのが第一歩かもしれません。楽しむことによって長続きし、最後には素晴らしい成果を得ることにつながると考えています。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。
