
人生のターニングポイント2度の“学び”で至った、多角的な思考法
教授陣によるリレーコラム/⼈⽣のターニングポイント【19】
私のターニングポイントは、これまでに2度ありました。
最初は、明治大学の学部時代からご指導をいただいた、本学名誉教授・大亦絢一郎先生に「学会で研究の成果を発表してみませんか」とお誘いをいただいた時です。
私は大学4年生でしたから「学部生でも学会に出られるのか」と驚きましたが、大亦先生の指導のもと、同期の仲間たちと朝から晩まで研究に取り組んで成果を出し、無事に発表することができました。
この経験で学問の面白さに目覚めた私は、もっと探究したいという思いが湧き、学部から大学院の修士課程、博士課程へと進み、研究者になったというわけです。
2度目のターニングポイントは、明治の博士課程を修了し秋田大学に赴任した際、私の上司となった砂子田勝昭名誉教授とともに、企業を訪問した時です。
秋田で研究を始めて驚いたのは、当時の国立大学は研究予算が潤沢ではなかったので、さまざまな会社から資金協力を仰がなければならないことでした。
資金をいただいたからには何らかの成果を出さなければいけません。砂子田先生には、そんなビジネスの現場のシビアさや人脈の重要性を教えていただいたのです。
私はそれぞれの恩師から学んだことを生かし、多角的な視点から課題にアプローチすることで、新しくてユニークな結論に近づく研究手法を身に付けることができました。
多くの視点を持つことは結論に至る選択肢を増やしてくれます。社会人の方も、同僚や上司の意見をよく聞いて取り入れ、幅広いものの見方で問題解決に臨むことが、よりよい成果に至る方法なのではないでしょうか。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。