【教員プロフィール】
中島春紫(なかじま・はるし)先生
明治大学 農学部 教授
専門は応用微生物学。これまでパン酵母、有機溶媒耐性細菌などを手掛け、現在は麹菌の細胞表層タンパク質ハイドロフォービンの機能解析と応用利用が研究テーマです。働き者のカビたち、発酵食品、そして酒類をこよなく愛しています。
日本の麹菌に秘められた力
「カビ」と聞くとあまり良い印象がないかもしれませんが、醤油や味噌、みりんといった和食に欠かせない調味料は、すべて麹菌というカビを用いてつくられます。発酵食品にカビを利用する東洋の伝統のなかでも、昔から麹菌を使ってきたのは日本人だけなのだそうです。
中島先生はそんな麹菌研究のエキスパート。とりわけその細胞を覆うハイドロフォービンというタンパク質に熱い眼差しを向けています。このタンパク質、一方で水を強力に弾きながら、一方でいろんなものへ吸着するというユニークな性質をもっているのだとか。日本の“国菌”と呼ぶべき麹菌、そのポテンシャルをとくとご覧あれ!
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。