
2022.06.28
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【教員プロフィール】
河野 菜摘子(かわの なつこ)
明治大学 農学部 生命科学科 准教授
専門は動物生殖科学と分子細胞生物学。なかでも、謎に包まれている哺乳類の受精メカニズムの研究をしています。体内受精の科学的な仕組みを明らかにすることによって、より負担の軽い不妊治療の方法を模索したいと考えています。
不妊に悩むカップルは、年々増加しています。保険適用の検討もされていますが、金銭的負担以外にも課題は山積み。そもそも、体内受精の仕組みには未知の部分があります。そのため治療法は限られ、とくに女性に大きなストレスをかけてしまうのです。たとえば、なぜ精子は母体内で生き延びることができるのか? 実は、完全には分かっていません。
河野先生は、哺乳類の受精メカニズムを解明することで、不妊治療の選択肢を増やそうとしています。注目したのは、精子を「ステルス化」する成分でした——。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。