
2023.01.27
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。
元明治大学農学部農学科教授の纐纈雄三先生には、指導教員として研究のいろはから、人生に役立つ物事の考え方まで、いろいろなことを教えていただきました。
先生はまさに“ザ・研究者”といった印象の方でしたが、新しいことに挑戦することの大切さを常に説かれていました。
曰く、「何か新しいことを始めることに年齢制限はない、憂慮するよりまずは行動」。「挑戦することを恐れないこと、成功の反対は失敗ではなく何もしないこと、倒れるときは一歩でも前へ」。
当の本人が、37歳で勤めていた企業を辞めて渡米し、いち大学院生となって勉強し始め学位まで取得されたような方ですから、そのチャレンジ精神は本当にすごいなと思うばかりです。
今、少し変革の時期を迎えているとはいえ、日本はまだまだ欧米などに比べ、失敗が許されない社会構造だと認識しています。米国などは挑戦してからが一人前、何度失敗から立ち上がったかが評価になるような社会です。
加えて日本では子どもの頃から「間違うことは恥ずかしい」という観念が植え付けられているようにも思います。私が授業中に何か質問はありますか、といっても挙手する学生はほとんどいません。
でも、こちら側から個別に聞いてみると皆何かしら疑問を持っている。変な質問をして周りから批判されるのが怖いとか、億劫だとかいう気持ちがあるのでしょう。
“チャレンジしない日本人”なんて言われますが、やはりそこから変革していかなければ、これからの国際社会ではなかなか生き残っていけません。
そういう意味ではもう一人、メジャーリーグでも活躍されたイチローさんの常識を疑う、変化を恐れないという考え方や生き方にも、私は影響を受けています。
「自分の可能性を広げるには、自分で自分を教育していくしかない」という彼の言葉は私の生き方の軸にもなっています。
社会で働く皆さんも、若い方は失敗を恐れずに大きなことに挑戦してください。管理職など立場が上の方や年配の方は、ぜひ若者がチャレンジできる環境、そして失敗しても再挑戦できる環境を作ってあげてください。
我が明治大学には「前へ」というスローガンがあります。変革を恐れずに常に前を目指していれば、企業にとって、あるいはご自身のキャリアにとって、最善の選択ができると私は考えます。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。