2024.03.21
- 2022年1月20日
- リレーコラム
受け身から抜け出し、貪欲に学び取りにいこう
池田 敬 明治大学 農学部 教授歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。
教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【54】
私は現在、農業の生産現場で発生する様々な問題を解決するために、栽培環境を改善する技術開発やシステム化の研究を行っています。
このような研究の道を志すようになったのは修士学生のとき。3カ月間の研修でお世話になった、農林水産省 果樹試験場 安芸津支場所属の小林省藏さんに出会ったことがきっかけです。
小林さんは立派な成果を挙げられている有名な研究者でしたが、決して偉ぶることなく、真摯に研究へ向き合う姿勢に感銘を受けました。
また、小林さんはゴルフが大好きで、私自身、研修に行ったのか、ゴルフを習いに行ったのかわからなくなるぐらい教えてもらった思い出があります。オン・オフのメリハリのつけ方や「研究だけが人生じゃない」というスタイルにも憧れました。
大学院修了後、農林水産省への就職を経て明治大学に転職したのですが、教育職は初めて。ここで大きな影響を受けたのが商学部の大友純先生と元理工学部の北野大先生です。
大友先生とは植物工場のプロジェクトでご一緒し、損益分岐点などを含むマーケティングの勉強を教えていただきながら、先生の授業も受講していました。
大学の教員が他の教員の授業を受けることはなかなかありません。貴重な経験をさせていただいたおかげで、学生への対応の仕方や授業への取り組み方などを学ぶことができました。
北野先生には社会連携の部分でお世話になりましたが、先生が素晴らしいのは、ご自分がどういう立場で話をしているかということを自覚され、常に本学のために何ができるのかを考えていらっしゃったところです。
先生の影響で私も大学に所属する人間としての振る舞いを見つめ直すようになり、現在の自分を形成する礎となっています。
振り返ってみると、お三方とも手取り足取り細かく教えてくださったわけではないですが、そばにいて仕事に対する熱意や取り組み方を伝えていただいたと感じています。また私自身、尊敬する方に少しでも近づきたいと貪欲に色々なことを吸収していきました。
ビジネスの現場でも同様に、誰かに教えてもらうのを待っていては成長できないと思います。自分に足りないものを把握し、積極的に学ぶ姿勢が大切ではないでしょうか。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。