
2022.05.26
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。
私が現在の道に進むようになったのは、学生時代の2人の先生との出会いが影響していますが、そもそも化学に興味を覚えたのは小学生時代の理科の授業がきっかけでした。
水酸化ナトリウムと塩酸を使った化学の実験で素材の変化に驚き、「こういう風な現象をもたらすのはなんでだろう?」「化学って面白い!」と魅了されたのです。
両親の勧めもあり、中高一貫校を受験することになったのですが、その際の学校選びも化学部があるという条件で探したほど。晴れて本学の付属校に合格し、中学~高校の6年間を化学部に所属しました。
顧問の櫻井清孝先生は本学の農学部出身で、自分の恩師の研究室に中高生を連れて行って実験をやらせるなど、熱意にあふれた方。今も本学付属校で教鞭をとられていますが、先生からは研究のイロハを学びました。
印象に残っているのは、高校3年生の記念として新聞社主催の論文大賞に応募することになったときのこと。当時はまだワープロとFAXの時代だったので、夏休みに先生と自分の家とで原稿をFAXでやり取りしながら、なんとか研究論文を完成させました。
その後、本学に進学して有機合成分野をやりたいと思っていたときに出会ったのが、漆研究の第一人者として知られている理工学部の宮腰哲雄先生です。
先生の研究室では他分野の先生方といろいろな研究を行う経験が得られ、「化学を使って新しいことを発見し、活かす」ことに目覚めました。
「これまでわからなかったことをわかるようにしたい」「同じ手法でも別の工夫ができないか」など、日々そういう思いで挑戦しています。
振り返ってみると、要所要所で私を導いてくれたのは、自分の仕事に信念を持って取り組んでいる先生方の存在でした。
ビジネスの現場でも、同僚や取引先など、さまざまな人と接する機会があると思います。自分を新たなステップへと後押ししてくれる出会いをぜひ大切にしていってください。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。