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時には相手の立場になって考えてみよう
2021.12.09

人生で影響を受けた人物時には相手の立場になって考えてみよう

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【50】

私が影響を受けた方は皇后雅子様です。医学部受験か文系受験か迷っていた学生の頃、ちょうど皇太子妃候補に挙がっていらして。女性で外交官ということに驚くと同時にすごく感銘を受けたのです。

報道を通してですが、外務省のすごく忙しい部署なのに、生き生きと働いていらっしゃる姿が印象的だったのですね。

雅子様に憧れて、私も「国際法」や「国際関係」を勉強できる学部に進学することにしたのです。その後、中途採用で外務省に勤める機会を得ました。

勤務した期間は短かったのですが、とにかく忙しい毎日で。でも、その分学ぶこともたくさんありました。学生時代に授業で習ったことが、実際に目の前で展開されるわけですから。

例えば、外国との条約締結の取りまとめは外務省が行いますが、当然関係のある省庁がすべて携わってきます。それぞれの省庁の意見を汲み上げて、 “日本の立場”というものが作られるのです。

外務省時代に知己を得た方たちからはやはり影響を受けていますね。特に先輩方からはたくさん勉強させていただきました。中でも交渉する力、ネゴシエーションするスキルって本当にすごいのです。

やはり交渉事では避けられない衝突も起こりますよね。人それぞれ価値観も違いますし、どの省庁にも譲れない部分というものがあるから当然です。

当時の私は若輩でしたから、側で見ているだけでしたが、先輩方は押したり、引いたりしながら、異なる立場の異なる意見を見事にまとめ上げておられました。

皆さんもビジネスシーンや社会で、交渉が必要な場面に出会うと思います。そういう時はただ押すだけじゃなく、ただ引くだけじゃなく、まずは相手の立場になって話をしてみてはいかがでしょうか。

いろいろな価値観があることを理解すれば、交渉の仕方も変わってきますし、これまでとはまた違う結果を導き出せるかもしれませんよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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