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「性・恋愛・結婚」を日本の社会構造から考える

鹿島 茂 鹿島 茂 明治大学 国際日本学部 教授(2020年3月退任)

最近の少子化にもつながる要因として、セックスレスが取り上げられることがあります。国立社会保障・人口問題研究所の2010年の実地調査によると、18~34歳の未婚者で「性経験がない」と回答した割合は、男性で36.2%、女性で38.7%という結果が出ています。原因は様々ですが、戦後日本の社会構造にも要因がありそうです。

「面倒くさい」だけではないセックスレスの要因

鹿島 茂 近年、セックスレスが問題視されていますが、キーワードのひとつは、「面倒くさい」です。最近の、特に若い世代は面倒くさいことが嫌いです。ところで、セックスに至るための恋愛はもともと面倒くさいものなのです。それを嫌がっていては、セックスレスになるのは当然です。では、性欲はないかというと、そんなことはない。どうするのかといえば、バーチャル・セックスです。わざわざ面倒くさい思いをして生身の人を相手にするより、画像や映像、物に淫する方がラクで楽しいし、手軽で何の責任も派生しない。オタク文化が隆盛し、草食系といわれる男子や、男より仕事に夢中という女性が増えていくわけです。

 しかし、こうした状況は個人の責任ばかりではありません。日本人は恋愛下手だといわれますが、もともと日本には恋愛結婚の習慣がなかったのです。だから、江戸時代には医者などが結婚斡旋を行っていたし、大正、昭和期には「お見合い」を設定してくれる世話焼き者がたくさんいたものです。なぜ、日本には恋愛基盤が形成されなかったのか、それは、日本独特の家族の構造からみることができます。

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