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失敗を恐れずに挑戦し続けなければ、成功はつかめない
2024.02.14

人生のターニングポイント失敗を恐れずに挑戦し続けなければ、成功はつかめない

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/人生のターニングポイント【56】

私のターニングポイントは、イギリスの大学院へ博士号を取りに行ったことです。海外での研究者との交流や語学力の向上は、その後の自分の研究者人生を大きく変えてくれました。

横浜国立大学の経済学研究科に進学した当時の私は、英語の「え」の字もできないような状態でした。ところが入っていきなり、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの経済学者を招いた研究会に、大学院生も出ろと言われて参加したのです。そこで教員たちが全員、英語を話すことにカルチャーショックを受け、やはり英語は重要だと痛感しました。

その後、世界的な経済学者となっていた諸先輩方から、本気で経済学を勉強したいのなら、大変だが海外の学位プログラムを取るようにと指南され、意を決してイギリスへ留学を決意。運良く経済学の名門、エセックス大学へ進むことができたのですが、到着早々、ロンドン・ヒースロー空港での入国審査ですら、何を言っているのかサッパリわからず、前途多難でした。

しかし秋の正規コースが始まる前から、語学学習のプログラムに参加し、同大学へ英語を学びに来たフランス人やドイツ人、自分と同じく正規コースへと進む予定の南米の学生らと親しくなっていきます。下手な英語を駆使し、意思疎通を図る日々。彼らと一緒にまちへ繰りだし、パブで話しかけてきてくれたイギリス人たちとの会話が全然できなかったのも今となってはいい思い出です。そんな経験を重ねるにつれ、次第に語学力が身につき、さらに私の人生観も変わっていきました。

初めて外から見たことで、日本と海外の違いが実感としてわかってきたのです。日本の集団教育は、みんなと同じでなければいけない。逆に欧米は、みんなと違うことが当たり前な個人主義です。「違うこと」が当たり前である環境で過ごすうちに、自分を認めてもらうと同時に、相手も認められるように。自信もつきましたし考え方も変わりました。

英語の文法が間違っていようが、とにかく自分の意見を主張する。そんな意識に変わりましたし、どこの国の経済学者とも物怖じせず英語で話せるようにもなりました。そうなってくると、交友関係や人脈も飛躍的に広がります。

失敗を恐れていては、成功はつかめません。叩かれても叩かれても立ち上がるぐらいの気持ちで、何度もチャレンジすることが大切です。誰でも最初はできないものですし、失敗をするのが駄目なことではありません。世界的に成功している方でも、他人に言えない失敗は山のようにしてるはずです。必ず着実に登っていけますから、今から挑戦しようという人たちにも、諦めないようにしてほしいと思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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