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TOEFL スピーキングスコアがアジア最下位の日本は、変われるか?

国際連携機構 特任准教授 横川 綾子

2020年度から始まる英語教育改革では、小学3年生から英語の授業が必修化され、大学入学者選抜においては英語の4技能(聞く、読む、話す、書く)を評価する外部英語能力試験が活用される予定です。グローバル化に対応した教育環境づくりといわれていますが、では、いまの英語教育の何が問題で、それがどう解決されるのでしょうか。

日本の英語教育の欠点がスピーキング力の低さにつながっている

横川 綾子 日本の英語教育の現状を示すひとつとして、TOEFL® iBTのスピーキングスコア国別平均が日本はアジアで最下位という結果があります。これには、いろいろな要因があると思います。例えば、日本の中学・高校のクラスサイズです。語学の授業を行うのに30~40人では、1人の先生で4技能を教え評価するには相当な労力が必要です。必然的に、教える量を控えたり、優先順位をつけざるを得なくなります。さらに、学習指導要領の縛りがあり、先生によって教える内容が違っていると不公平だとか、授業の進捗度を揃えなくてはいけない、定期テストは同じ範囲から同じ問題で、などの制約もあります。つまり、先生個人の判断でスピーキングの優先順位を上げたり、先生独自の教授法を授業に取り入れるというようなことが難しいのです。先生の目が行き届いた有効な授業を行うには、クラスサイズを20人以下にすることが必要かもしれません。

 また、日本では、詰め込み教育というと反対意見もありますが、語学では暗記は絶対に必要です。では、何を暗記すればよいかというと、例えば、文法はとても大事です。ルールがわかれば、誰にでも伝わるように話したり書いたりすることができます。しかし、いくらルールがわかっても、知っている単語がたった50では宝の持ち腐れです。自分のメッセージを搭載した「弾」となる単語を1000、2000と身につけていれば、ルールという「武器」を有効に使えます。赤ちゃんが母語を身につけていくとき、文法から覚えることはありません。日本でも2020年から、英語教育が小学3年から始まります。良いことですが、いまの中学1年でやっていることを単に小学3年から教えるのでは、意味がありません。いままであまり重視されてこなかった語彙教育を、まず意識的に行うことが必要です。それも、多くの学習者に見られるように、ひたすら日本語訳を覚える、黙読したまま書いて覚えるのではなく、聞いてそのまま言う、真似して言う、語義を意識しながら口に出して覚える、という学び方が重要です。スペルも大事ですが、耳で聞いて口に出して覚えるという形でインストールすれば、話すときに取り出しやすくなります。自分が言いたい意味に最も近い単語やフレーズ、構文が素早く出てくることが、スピーキングでは大事なのです。

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