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自分の真理を追求し、イノベーションを生み出そう

西 剛広 西 剛広 明治大学 商学部 准教授

歴史に名を残す偉人から、カリスマ性のある著名人、その道を究めた学者まで。明治大学・教授陣に影響を与えた人物を通して、人生やビジネスに新たな視点をお届けします。

教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【48】

私が人生で影響を受けた人物は、京セラ創業者の稲盛和夫さんです。

会社の利益や株主価値重視の経営が追求されている現代。従業員を重視し、「社会の公器」として企業を捉える稲盛さんの考え方は、企業経営戦略の研究を行なっている私にとって、大変共感できるものです。

これまで稲盛さんは数多くの名言を残されていますが、中でも印象深い言葉が2つあります。

ひとつは、「どんな環境であっても真面目に一生懸命仕事に取り組む」ということ。

最近は「真面目の復権」と言われていますけれど、どちらかというと日本では、真面目が軽視される風潮がありました。

私も一時は「真面目というのはそんなにいいものではないだろう」「手っ取り早く利益がでればいい」と考えたこともあります。

ただ、一生懸命何かに取り組むということは、仮に失敗したとしてもその経験は自分の財産になりますし、次に頑張ろうというモチベーションにもなります。

そして、見事成功した暁には、他に代えがたい喜びが得られるはずなのです。

もうひとつは「利他の心で判断する」というもの。これは、「自分を犠牲にしても他の人を助ける」という信念を基準にすることで、視野が広くなり、正しい判断ができるようになることです。

私はまだそこまでの心境に到達できていませんが、研究もそうですし、人間関係に対しても、なるべく自分の独りよがりにならないように心がけ、この言葉を自分の生きる上での指針としています。

稲盛さんのように、自分の真理を追求して取り組んでいくと、それに共感する人がでてきて、協力の輪が広がっていきます。

皆さんも、まずは自分が好きなこと、面白いと感じたことを、一生懸命突き詰めてみてはいかがでしょうか。

好きなことに取り組んでいるわけですから、それに打ち込むことができますし、取り組みの中で艱難辛苦に直面しても、乗り切れる可能性も高まるはずです。そして、このことに対して興味・関心を持つ人が現れることがあります。

ここで重要なのは「自分さえよければ」という考えを持つのではなく、取り組んでいるものの楽しさ、面白さを人に伝え、共有することだと思います。

この結果、共感してくれる人がでてきて、周囲の人を巻き込み、新しいものの創造につながっていく。これが、稲盛さんのイノベーションの精神に繋がっていくのだと思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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