明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

幅広い知識を身につけ、本質を見極める目を養おう

明治大学 法学部 教授 山田 道郎

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【10】

西尾 幹二『ヨーロッパの個人主義』(講談社現代新書・1969年)

人それぞれの生き方、考え方もありますので一概に「これ」という本は挙げられないのですが、私の経験からすると固いものでも柔らかいものでも片っ端から読んでみることをおすすめします。特に若い人は活字離れと言われて久しく、読書する機会が減っていると思いますので。

私の専門の法律は、社会のことを把握していないと充分理解できないため、自分自身は専門分野の本はもちろん、哲学書から思想書、評論、小説など、興味の赴くまま幅広いジャンルのものを読んできました。いま思い返してみると自分の血となり肉となっているように感じます。なかでも、大学院時代の同輩にすすめられて読んだ『ヨーロッパの個人主義』には当時とても感銘を受けました。ニーチェ研究者である西尾氏が、自身のヨーロッパ経験を通して、日本人の考え方を批判的・懐疑的な視点から指摘しています。本書を最初に読んだときには自分の考え方がひっくり返され、無知を自覚しました。いまもなお影響を受けている本です。

人から私の著書に「一筆お願いします」と言われたときは「権威を疑え」と書くようにしています。権威を無批判に信用してしまうのではなく、自分で考えることが大切だからです。若い人には通説や判例が正しいことを前提として議論するのではなく、それ自体が正しいのかどうか疑って考えて欲しいと思います。そのような目を養うためにも自分の専門外の本から多くのことを吸収するようにしましょう。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Hatena

連載コラムの関連記事

頭の中にテーマを置き続け、日常にヒントを得よう

2019.7.18

頭の中にテーマを置き続け、日常にヒントを得よう

  • 明治大学 文学部 准教授
  • 佐々木 掌子
生物の仕組みを、自分ゴト化して考えてみよう

2019.7.11

生物の仕組みを、自分ゴト化して考えてみよう

  • 明治大学 農学部 専任講師
  • 島田 友裕
#4 自己組織化を会社組織に応用できる?

2019.7.5

#4 自己組織化を会社組織に応用できる?

  • 明治大学 研究・知財戦略機構 特任教授
  • 山口 智彦
わかった気にならず、自分の頭でとことん考えよう

2019.7.4

わかった気にならず、自分の頭でとことん考えよう

  • 明治大学 農学部 准教授
  • 石丸 喜朗
#3 自己組織化は経済に応用できる?

2019.7.2

#3 自己組織化は経済に応用できる?

  • 明治大学 研究・知財戦略機構 特任教授
  • 山口 智彦

Meiji.netとは

新聞広告連動企画

新着記事

2019.07.17

フランス人はなぜデモを続けるのか

2019.07.10

男か女かハッキリしたがる/させたがる不思議

2019.07.03

遺伝子組み換えが怖いのは、目先の利益で行っていること

2019.06.26

人から、メタボやアレルギー性疾患がなくなる!?

2019.06.19

社会凝集力は偏見も生む。自分をもっと自由に解放してみよう!!

人気記事ランキング

1

2019.07.17

フランス人はなぜデモを続けるのか

2

2019.07.10

男か女かハッキリしたがる/させたがる不思議

3

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

4

2014.09.01

緊急提言、人口減少社会に歯止めをかける ―方策は少子化対策、社会…

5

2018.05.23

衰える結婚、止まらぬ無子化 ――このままでは日本の未来が失われる

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム