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安いバイオプラスチックの登場まで、海洋汚染の限界はもつのか

小山内 崇 小山内 崇 明治大学 農学部 准教授

プラスチックには、以前から石油資源の枯渇問題やゴミ問題がありましたが、最近は海洋汚染も重大な問題になっています。効果的な対策として、バイオプラスチックの普及が期待されますが、現在、全プラスチックの1%にも満たないといわれています。なぜ、バイオプラスチックは普及しないのでしょう。

非常に便利だが、非常に問題がある石油由来のプラスチック

小山内 崇 最近、プラスチックによる海洋汚染が問題になっていますが、以前からプラスチックには、石油が枯渇すると作れなくなってしまう問題と、ゴミ問題がありました。

 このゴミ問題は海洋汚染問題とも重なるのですが、その原因は、プラスチックは自然界で容易に分解されないことです。

 例えば、ペットボトルが街中や自然界で捨てられ回収されないと、何百年、何千年もそのままということになりますし、それが川や海洋に漂うと、紫外線や波浪によって、マイクロプラスチックと呼ばれる5mm以下の微少サイズに断片化されます。

 すると、人の目には見えにくくなるのですが、いま、その数は海洋中に15~51兆個あるともいわれます。これが魚や海洋生物の体内に入り、それを食べる動物や人間の体内に入り続けるとどうなるのか、実は、まだわかっていません。人類が経験したことがない現象だからです。

 そこで、欧米などでは使い捨てプラスチック製品の禁止が進んでいます。使い捨てストローを廃止する外食チェーンが増えていますし、日本の小売店やスーパーなどではまだ当たり前のように使われているビニールの、いわゆるレジ袋も法律で禁止されるようになっています。

 日本はこうした規制に遅れていて、むしろ、回収しリサイクルすることに力を入れているように見えます。しかし、プラスチックを再利用する工程は、一からプラスチックを作るよりもエネルギーがかかる場合もあり、その過程でCO2も排出されるのです。

 つまり、リサイクルをするというと、なんとなく良い活動のように思えますが、プラスチックのリサイクルは手間をかけて、さらに環境を汚すことにもなるのです。

 そのため、実際には、プラスチックを再利用するより、燃料にするサーマルリサイクルが多いようです。要は、プラスチックを燃やして、発電したりボイラーとして利用するのです。しかし、燃やすと、やはりCO2の排出は増えるし、石油資源の枯渇問題の対策にもなりません。

 では、欧米のようにプラスチック製品の使用をどんどん規制すれば良いのでしょうか。もちろん、法規制は必要だし、重要です。しかし、それだけでは問題は解決しないでしょう。

 私たちの身の回りの製品が、金属やガラスなどからプラスチックに置き換わっていったのは近代に入ってからですが、以後、プラスチックは世界中で爆発的に増えました。それは、プラスチックが非常に便利だからです。プラスチックを使用しない社会の構築は、もはや不可能です。

 つまり、プラスチック規制には限界があります。そこで、期待されているのが、バイオプラスチックです。

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