学びを加速させるアドバイス峠を越えれば見通しが良くなる、その体験が背中を押してくれる
教授陣によるリレーコラム/学びを加速させるアドバイス【41】
何かを新しく学びはじめるとき、勉強すればするほどわからないことが増えてきて、不安になることが誰しもあると思います。学生であれば、初めて自分のテーマに取り組む卒業研究で、こうした壁に直面する人が多いのではないでしょうか。
私も学生時代、そんな不安を経験しました。しかしそこで手放してしまわず、やるべきことをひとつひとつ積み重ねていくと、徐々にわからないことが減ってきて、見通しが良くなる時期が訪れます。「こうやればいいのか」とわかってくれば、その先は自信を持って学びを深めていくことができるでしょう。
こうした体験を一度でもしておくと、その後、新しいことを学びはじめる際の意欲に大きな違いが出てきます。自分の状態を観察して、「いまは苦しいけれど、もう少し頑張ればわかってくるだろう」という実感があるとないとでは、新しいことに取り組むうえでの前向きさが変わってきます。大学で卒業研究をする意義のひとつは、こうした学び方の感覚を身につけることにあると私は考えています。
研究者になれば、次々と新しい研究に取り組み、そのたびに何も知らないところから学びはじめなければなりません。私の体感として、新しいテーマに取り組み始めて「わからない」と思うことが減り、いろいろなことが見えてくるまでには、1年くらいは続けてみる必要があります。スタート地点に立つまで1年というと長いように感じるかもしれませんが、何度となくそうした経験を積み重ねているので、いつも落ち着いて、先を見据えて取り組むことができています。
企業で働く人も、部署異動などでゼロから経験を積まなければならない場面があるでしょう。引き継ぎを受けたとしても、すぐに全体が見渡せるようになるわけではありません。けれど、投げ出さずに一つひとつ積み重ねていけば、そのうち視界がひらける瞬間はやってきます。その時を信じてあと少し、頑張ってみてはいかがでしょうか。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。
