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時代の変化を感じ取り、自分をひらいていこう

菅野 博貢 菅野 博貢 明治大学 農学部 准教授

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【37】

松村秀一『ひらかれる建築』(ちくま新書・2016年)

本書は、大学院の学生たちにとって何か核になる書物はないかと探しているときに、たまたま出合った一冊です。

今日の建築は、居住のための「箱」から生きるための「場」へと変化し、これまでつくられてきた十分過ぎるほどの「箱」はいま、人と人をつなぐコミュニティとなったこと、今後の建築はどうあるべきかについて描かれています。

タイトルからして建築分野の本のようですが、さまざまな分野で使える知恵が入っているため、建築に捉われず読んでいただきたい内容になっています。

現代社会の大きな変化は、この本でいう「ケンチク=自分の専門分野」に大きなパラダイムシフトを迫っています。しかも、「自分の専門」とは無関係と思っていた人たちが、「自分の専門」と思っていた領域に、どんどん越境して入ってきます。

挙句の果てには、その素人と思われた人たちが自分よりいい仕事をしていることを認めなければならないこともあります。この大きなうねりのような変化に敏感にならないと、世間で相手にされない偏狭な「専門家」になってしまうことでしょう。

この本で書かれている「ケンチクがひらかれる」ということを「自分の専門がひらかれる」と読み替えたとき、何がどう変わるのか。自分を失いそうで怖くもありますが、自分の立ち位置から近未来を予測するのは楽しいものです。

はじめの1章、2章は読みづらいところもありますが、読み進めていくと一般のビジネスパーソンにとっても発見があると思います。自分の陣地(専門分野)を守るのではなく、自ら「ひらき方を考える」ことを意識して読んでみることをおすすめします。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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