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グローバル化時代には、客観的な情報の取得と主観的な解釈が重要

図1 1980年〜2016年までの日経平均、アメリカの株価指数、ドイツの株価指数の動き
図1 1980年〜2016年までの日経平均、アメリカの株価指数、ドイツの株価指数の動き
図2 1980年〜2016年までの日経平均に対するアメリカ・ドイツ株の影響
図2 1980年〜2016年までの日経平均に対するアメリカ・ドイツ株の影響
1929年にアメリカから始まった世界恐慌も、1970年代のオイル・ショックも、世界経済に大きな影響を及ぼしています。しかし、当時はそれが広がっていくのにラグがありました。じわじわと広がっていくようなイメージです。ところが近年では、一国で起こったことが、すごいスピードで一気に世界中に波及するようになっています。特に、日本は欧米の出来事に過剰反応する傾向が強いです。例えば、2016年イギリスのEU離脱の国民投票のとき、事前の予想と異なり離脱が優位とみられるや、日経平均が急落しました。また、同じ2016年のアメリカの大統領選挙でも、事前の予想と異なりトランプ氏が優位と知ると、日経平均が一気に下がりました。いずれの場合も、当のイギリスやアメリカでは落ち着いていることがわかると、また元に戻りました。このとき、イギリスやアメリカもパニックになっていれば、そのまま世界的な金融危機に繋がったかもしれません。金融システムがグローバル化している今日では、一国の出来事はすぐに世界に波及します。その意味では、私たちは常に世界のニュースや情報に触れている必要があるといえます。

私の専門は、統計科学、データサイエンスですが、その研究の中で作成したのが図1です。 1980年から2016年までの日経平均、アメリカの株価指数、ドイツの株価指数の動きを並べたものです。なんらかのきっかけで、指数が下がるタイミングが3国ともほぼ同じ時点があるのがわかります。図2は、同じく1980年から2016年までを4つの期間に分け、日経平均に対するアメリカとドイツの株価の影響の割合を周波数領域で表現したものです。2000年代以降、アメリカ、ドイツの影響が徐々に大きくなっているのがわかります。こうしたデータによって、例えば、サブプライム問題がアメリカのローカルな問題では済まないことが少しでも頭に入っていれば、リーマン・ショックにあれほどパニックになることは避けられたかもしれません。

1970年代のオイルショックの頃は、特殊な情報は特定な人しか掴んでいませんでした。しかし、インターネットが発達した今日では、誰もが同じように情報を得ることができます。むしろ、偽情報やフェイクニュースも含む膨大なデータや情報の中から、的確な情報を選り分けることが重要になっているといえます。その意味で、私たちのようなデータサイエンスの研究者が情報を分析し、精査、識別、統合、集約して、わかりやすい形で提示していくことはとても重要だと考えています。それを、一人ひとりの方が、それぞれの立場や状況に応じて解釈していくことが大切だと思います。

次回は、的確な情報を捉えることについて解説します。

#1 金融危機はなぜ起こるの?
#2 リーマン・ショックはなぜ起こったの?
#3 金融危機はなぜ世界に波及するの?
#4 金融危機を防ぐことはできる?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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