【教員プロフィール】
原ひろみ(はら・ひろみ)先生
明治大学 政治経済学部 教授
専門は労働経済学。人的資本に着目し、日本の労働市場の機能や労働政策の評価を、計量経済学を用いたエビデンスベースで研究しています。また、その周辺分野である家族やジェンダー、教育等に関するデータ分析にも取り組んでいます。
「思い込み」や通説に惑わされないために
「ふたつの事柄のうち、片方が原因で、もう片方がその結果である」。経済学では、こうした関係性を「因果関係」と呼んで重要視しています。因果関係が分からないと、根拠のない思い込みや通説にだまされて、私たちはとるべき行動を誤ってしまいます。でも実は、社会のなかには因果関係がはっきりしないまま、一種の「思い込み」に支えられている制度や仕組みがあります。
原先生は、「人々が働くという状況」の原理を因果推論を行い解明しようとする研究者。通説を鵜呑みにせず、丹念にデータを分析することで、バイアスを排した実像を浮き彫りにし、私たちがとるべき行動を明らかにしようとしています。私たち一人ひとりの幸せ、そして社会全体の幸福を「思い込み」で台無しにはさせない。そんな経済学の考え方を先生に教えてもらいました。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。